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ホームページ運用で必須の「Web解析」とは?主なツールや手順も、課題発見から改善までを徹底解説

2025.09.10

ホームページ運用で必須の「Web解析」とは?主なツールや手順も、課題発見から改善までを徹底解説

「ホームページは作ったものの、その後どうすれば良いか分からない」「アクセス数は増えているはずなのに、なぜか問い合わせにつながらない」といった悩みをお持ちの企業は少なくありません。

ホームページは「作って終わり」ではなく、運用を通じて改善を続け、成果を最大化することが大切です。
そのための羅針盤となるのが、「Web解析」です。

この記事ではWeb解析とは何か、なぜ重要なのかを解説します。
弊社でも活用している主要なツールや、具体的な分析から改善までの流れも徹底的に紹介します。
この記事を読めば、あなたのホームページが「なんとなく」ではなく、「意図的に」成果を生み出す資産へと変わるヒントが見つかるでしょう。

Web解析とは?「なぜ、何のために必要なのか」を明確に

Web解析とは、ホームページを訪れたユーザーの行動データを多角的に分析し、運営上の課題を発見・改善することで、ビジネス目標の達成を目指す活動です。
弊社が常に強調しているのは、「ホームページは投資であり、投資対効果を最大化するためには、感情や勘に頼るのではなく、データに基づいた客観的な判断が不可欠である」ということです。

Web解析は、この客観的な判断を行うための唯一の手段であり、ホームページ運用における「PDCAサイクル」を回すための出発点となります。
ここではWeb解析の基礎知識として、以下の2つを解説します。

  1. Web解析の目的
  2. Web解析の主な手法

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Web解析の目的

Web解析の主な目的は、以下の4つです。

  1. ユーザーの理解
  2. 課題の発見
  3. 改善策の立案
  4. 成果の測定

まずは、誰がどの経路でホームページを訪れているのか、どのようなコンテンツに興味を持っているのかを知る必要があります。
ユーザーがどこで離脱しているのか、なぜコンバージョンに至らないのかといった、ボトルネックになっている部分を特定することも大切です。

その後、発見した課題を解決するために、導線変更やコンテンツ改善など具体的な施策を検討します。
実施した施策が目標達成にどれだけ貢献したかを数値で評価することも、Web解析の重要な目的の1つです。

これらの目的を果たすことで、ホームページは単なる情報発信ツールから、事業の成長を牽引する強力なマーケティング資産へと進化するのです。

Web解析の主な手法

Web解析は収集するデータや目的によって、下表のように3つの手法に分けられます。

手法

概要

主なツール

アクセス解析

ホームページ全体のトラフィックやユーザー属性、行動フローを分析する

行動解析

ユーザーごとの行動(クリックやスクロールなど)を視覚的に分析する

ヒートマップツール(Ptengine、ミエルカヒートマップ、Microsoft Clarityなど)

SEO/競合分析

検索順位やキーワード、競合サイトの状況を分析する

それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、Web解析で着目する評価指標(KPI)の例や分析・改善例について知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】【事例付き】WebサイトのKPIとは?代表的な設定項目やツリー例も解説

アクセス解析

アクセス解析はGoogleアナリティクス4(GA4)などを使って、以下のような評価指標を分析する手法です。

  • ホームページに訪問したユーザーの数(セッション数)
  • 滞在時間
  • 表示回数(=ページビュー)
  • 流入経路※ など

※ユーザーが自社ホームページへ至った経路

マクロなデータを取得・分析できる、最も基本的なWeb解析手法といえます。

行動解析

ヒートマップツールなどによる行動解析では、ホームページのどの部分がよく見られているか、どこでユーザーがクリックを迷っているかなどを、色や濃淡で視覚的に把握できます。

アクセス解析では分からない「ユーザーの心理」を推測するうえで、非常に有効なWeb解析手法といえるでしょう。

SEO/競合分析

SEO/競合分析は、検索流入を増やしたい場合に必須の分析手法です。
具体的には、GoogleサーチコンソールやAhrefsなどのツールを活用し、以下のような状況を分析します。

  • 自社ホームページがどのようなキーワードで検索されているか
  • 検索順位はどうか
  • 競合サイトの動向はどうなっているか など

なお、弊社ではSEO対策Web広告など、ホームページ運用に関連するさまざまな施策にも精通しております。
データに基づいたホームページ運用で成果を最大化したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

【比較表】弊社でも活用している5つのWeb解析ツール

ここでは、弊社でも日々活用している代表的なWeb解析ツールを5つ紹介します。

名称

活用シーン

料金プラン

1.Googleアナリティクス4(GA4)

アクセス解析

無料

2.Googleサーチコンソール

アクセス解析、SEO/競合分析

無料

3.Ptengine(ピーティーエンジン)

ヒートマップによる行動解析

無料版あり

4.Ahrefs(エイチレフス)

SEO/競合分析

有料※

5.PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)

ホームページの速度分析

無料

※7日間のトライアルあり

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Web解析ツール①:Googleアナリティクス4(GA4)

活用シーン

アクセス解析

取得可能なデータ(抜粋)

  • ユーザー数
  • セッション数
  • 表示回数
  • コンバージョン(CV)数
  • 流入経路
  • ユーザー属性 など

料金プラン

無料

GA4はユーザーの行動を「イベント」として捉えることで、従来のGA(ユニバーサルアナリティクス)よりも精度の高い分析が可能になりました。
ホームページ全体のユーザー動向を俯瞰的に把握し、どのページに課題があるのかを特定するうえで欠かせないツールです。

GA4を導入する手順やアクセス解析のやり方について知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

【関連記事】自社・他社ホームページにおけるアクセス数の調べ方|運用効果を上げた事例も紹介

Web解析ツール②:Googleサーチコンソール

活用シーン

アクセス解析、SEO/競合分析

取得可能なデータ(抜粋)

  • 検索キーワードごとの表示回数
  • クリック数
  • 検索順位
  • ホームページの技術的な問題点 など

料金プラン

無料

Googleサーチコンソールは、「ユーザーがホームページに訪れる前」のデータに強いツールです。

自社ホームページがどのようなキーワードで検索されているか、Googleのインデックス(※)状況はどうなっているかなど、SEO対策には不可欠な情報を取得できます。
※検索エンジンのデータベースに自社ホームページの情報が登録されること

より深い分析をするためにも、前述のGA4と併用するのがおすすめです。

Web解析ツール③:Ptengine(ピーティーエンジン)

活用シーン

ヒートマップによる行動解析

取得可能なデータ(抜粋)

  • ページのどこがクリックされているか(クリックヒートマップ)
  • どこまで読まれているか(アテンションヒートマップ)
  • どこで離脱しているか(スクロールヒートマップ) など

料金プラン

無料版あり

ヒートマップツールであるPtengineは、「なぜコンバージョンしないのか?」という疑問を解く鍵を握っています。
特定のページのボタンがクリックされていない、重要なコンテンツが読まれていないといった課題を視覚的かつ直感的に把握できます。

“ベイス”
ベイス
編集部

ホームページ運用における計測タグの管理は、煩雑になりがちです。
GTM(Google Tag Manager)を導入すれば、ヒートマップツールをはじめ、以下のようなツールのタグを一元管理できます。

  • Googleアナリティクス
  • Googleサーチコンソール
  • 各種広告タグ など

専門知識がなくてもタグの追加・変更ができることで運用効率が大幅に向上し、迅速なデータ分析と改善が可能になります。

Web解析ツール④:Ahrefs(エイチレフス)

活用シーン

SEO/競合分析

取得可能なデータ(抜粋)

  • 検索キーワードの難易度
  • 競合サイトの被リンク状況
  • 上位表示しているキーワード
  • コンテンツの流入数 など

料金プラン

有料※

※7日間のトライアルあり

Ahrefsは、SEOのプロも御用達の高性能ツールです。
自社ホームページだけではなく、競合サイトのSEO状況を丸裸にできます。

どのようなキーワードで上位表示しているか、どのホームページから被リンクを受けているかなどを分析することで、具体的なSEO戦略を立てやすくなるでしょう。

Web解析ツール⑤:PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)

活用シーン

サイトの速度分析

取得可能なデータ(抜粋)

  • ページの表示速度
  • 改善すべきパフォーマンス項目 など

料金プラン

無料

PageSpeed Insightsで分析できるページの表示速度は、使いやすさなどのユーザー体験(UX)に直結し、SEO評価にも影響を与えます。
PageSpeed Insightsを使えば、ホームページの表示速度を数値化し、具体的にどこを改善すべきかを無料で診断できます。

“ベイス”
ベイス
編集部

ページの表示速度が遅いとユーザーはストレスを感じ、ホームページから離脱する可能性が高まります。
離脱を防ぐためには画像の遅延読み込み(Lazy Load)や、軽量な画像フォーマット(WebP)の活用が不可欠です。

“ベイス”
ベイス
編集部

表示速度の高速化は快適な閲覧体験の提供につながり、結果としてユーザーの離脱率低下も実現できます。

ホームページにおける表示速度の重要性や改善方法について知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】ホームページの表示速度が遅いと売上に大ダメージ?測定・改善の方法を解説

Web解析の基本的な流れ

Web解析は、闇雲にデータを眺めるだけでは意味がありません。
以下のステップに沿って、PDCAサイクルを繰り返しながら進めていくことが大切です。

ステップ

概要

1.目標設定

「コンバージョン率を5%改善する」「特定のキーワードで検索順位10位以内を目指す」など、具体的な目標を設定する

2.現状分析

GA4やGoogleサーチコンソールでアクセス状況を俯瞰し、問題のありそうなページを特定する

3.課題の深掘り

問題のページをヒートマップで分析し、「なぜコンバージョンしないのか?」「なぜ離脱率が高いのか?」といった具体的な課題を深掘りする

4.改善案の立案と実行

「CTAの文言変更」「コンテンツの追記」など、課題解決に向けた施策を考え、実行する

5.効果測定

再びデータを分析し、改善効果があったかを評価する

GA4などは単一で活用するのではなく、複数のツールを併用しながら多角的に分析することが効果的なWeb解析の鍵となります。

Web解析によってホームページの運用効果を高めたい方は

Web解析で得られたデータは、ただの数字ではありません。
その数字はあなたのホームページを訪れた顧客の声であり、課題を乗り越え、さらなる成長を遂げるための貴重なヒントです。

しかし、データの見方がわからなかったり、改善策を具体的に落とし込めなかったりする企業が多いのも現実です。
弊社では、Web解析データに基づいた「勝てるホームページ運用」を強みとしています。
私たちが日々実践している「ホームページの型」に基づいた改修は、実際に高い効果を発揮しています。

実際、弊社のホームページ制作ページでは、データ分析に基づいた改修を重ね、直帰率の大幅な改善を実現しました。

直帰率

25年1月

26.73%

25年2月

19.4%

25年3月

20%

25年4月

改修実施

25年5月

16.67%に減少

この結果はフッターメニューの導線見直しやローディングアニメーションの追加など、データから見えた課題を1つずつ改善したことによって生まれました。
「ホームページの運用効果を高めたいが、自社だけでは難しい」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
貴社のビジネス目標に合わせた最適な運用プランをご提案します。

まとめ:Web解析では継続的にPDCAサイクルを回すことが大切

Web解析は、ホームページ運用において最も重要なプロセスです。
単なる「数値の報告」ではなく、ビジネスの課題を発見し、改善を繰り返すための羅針盤です。
「何のために解析をするのか」を常に意識し、複数のツールを併用しながらPDCAサイクルを回すことではじめて、成果を最大化できます。

ホームページは、作って終わりではありません。
Web解析を活用し、継続的に改善を続けることで、その価値は無限に高まります。
データに基づいたホームページ運用で成果を最大化したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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book この記事の監修者

澤田将司

株式会社ベイス 代表取締役社長

マレーシア、クアラルンプールで起業。
オンラインゲームプラットフォームや3大通信キャリアの公式コンテンツプロバイダーなどの事業を経て、2015年に実家の家業を引き継ぐ形で帰国。
現在は三重県四日市市で受託型のウェブマーケティング会社、株式会社ベイスを経営。

得意分野はコンバージョン率(お問い合わせ率)の高い企業のホームページ運用。
豊富な経験で培った徹底したデータ駆動のマーケティング戦略で、これまでに数多くの企業のウェブ戦略立案から実行までを手がける。

LINE社認定のパートナーでもあり、これまで運用した企業アカウント数は500を超える。

代表挨拶ページはこちら

 

澤田将司|ベイス代表取締役 澤田|ベイス社長@行きたくなるオフィス研究中 中小企業マーケティングラボ

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