Webサイト運用

【事例付き】WebサイトのKPIとは?代表的な設定項目やツリー例も解説

2024.12.05

【事例付き】WebサイトのKPIとは?代表的な設定項目やツリー例も解説

KPI(重要業績評価指標)はWebサイト運用の成果を最大化するうえで、成功のカギとなる重要な役割を果たします。
しかし、言葉は聞いたことがあっても、「どのような意味なのか」「WebサイトでのKPI設定項目は何があるのか」など疑問がある方も多いでしょう。

この記事では、KPIの意味やWebサイトでの代表的な設定項目を解説します。
Webサイトの種類別KPIや設定手順もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

KPIとは

KPI(※)とは、組織や事業の最終目標に向けた進捗を測定する重要な指標です。
※Key Performance Indicator:重要業績評価指標

Webサイト運用において、KPIは戦略の有効性を評価するうえで不可欠な要素となります。
まずは基礎知識として、以下の2点を解説します。

  1. 意味
  2. Webサイト運用で重要な理由

それぞれ詳しく見ていきましょう。

意味

KPIは、Webサイトの目標達成に必要な施策の評価指標を意味します。
効果的なWebサイト運用には、明確な目標設定と継続的な改善が不可欠となり、KPIはこのプロセスにおいて中心的な役割を果たします。

KPIを設定し活用するには、下表のようなKGI(※1)とKSF(※2)の関連性を理解することが大切です。
※1 Key Goal Indicator:重要目標達成指標
※2 Key Success Factor:重要成功要因

KGI

KSF

KPI

設定順序

1番目

2番目

3番目

役割

全体の方向性を示す

成功に必要な重要要素を特定する

施策を評価・改善する

意味

最終的に達成すべきビジネスゴール

KGI達成に向けた施策の具体的な事柄や条件

KSF達成に向けた施策の評価指標

KPIを設定し活用する際には段階的なアプローチを踏むことで、Webサイト運用の継続的な改善サイクル確立につなげられるでしょう。
KSFの目的や具体例を詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

【関連記事】【具体例付き】3C分析とは?目的・やり方をわかりやすく解説

住宅業界のKGI・KSF・KPI設定例

住宅業界を例をにすると、KGIなどは下表のように設定できます。

KGI

来場予約数

KSF

ウェブ運用、ウェブ広告、SEO運用など

KPI

セッション数、SEO流入数、インプレッション数など

KSF・KPIは設定して終わりではなく、必ずPDCAを回しましょう。

Webサイト運用で重要な理由

KPIは目標達成の道筋を可視化するツールであり、Webサイト運用においても以下の理由で重要な役割を担います。

  • 具体的な施策の立案を可能にする
  • 施策の効果を客観的に判断できる
  • チームメンバーのモチベーションを向上させる
  • データに基づく公平な評価を実現する

KPIの重要性は、以下に示したWebサイト運用の基本プロセスと密接に関連しています。

  1. 目標設定(KGIの設定とKPIへの落とし込み)
  2. 現状の分析・解析
  3. 問題点の可視化
  4. 改善

KPI設定により指標が明確化し、プロセスが効率的に進むだけでなく、チームの共通認識にも役立ちます。
適切に活用すれば、Webサイト運用の効率と効果を大幅に向上させられるでしょう。

なお、弊社はWebサイトSNSをはじめとする幅広いマーケティング支援を提供しています。
Webサイト運用を通じて売上を拡大させたい方は、ぜひ一度お問い合わせください。

【一覧表】WebサイトのKPIとして代表的な設定項目

Webサイトの効果を測定し改善につなげるためには、適切なKPIの設定が必要です。
Webサイトにおける代表的なKPIは、下表の通りです。

KPIの例

意味

自然検索流入量

広告枠を除き自然に検索して流入した訪問者数

表示回数(ページビュー)

Webサイトのページが表示された回数

クリック率(CTR)

広告やコンテンツの表示回数に対しクリックされた回数の割合

セッション数

Webサイトにユーザーがアクセスした回数

ユニークユーザー(UU)

Webサイトに訪れた人数

コンバージョン数(CV)

以下のような、達成したい成果に到達した件数

  • 会員登録
  • 資料ダウンロード
  • 問い合わせ など

コンバージョン率(CVR)

購入や契約などの成果に到達した件数の割合

直帰率

Webサイトを訪れたユーザーが他のページを回遊せずに離脱した割合

離脱率

ユーザーがWebサイトを閲覧し、その後やめた割合

回遊率

サイトで閲覧するページの平均

顧客単価

ユーザーが1回の購入で支払う平均金額

リピート率

一定期間に初回購入した顧客のうち、2回以上購入した人の割合

WebサイトにおけるKPIは、下図のようにツリー状にすると関係性が分かりやすくなります。

▼KPIツリーの例

Webサイト運用では目的に沿ったKPIを複数設定し、定期的な評価や改善が重要です。
各KPIの関連性を理解し、総合的に分析していきましょう。

【種類別】WebサイトのKPI

KPIの設定項目は、Webサイトの種類によって異なります。
ここでは以下3つのケース別に、KPI設定の例を解説します。

  1. 企業サイトの場合
  2. ECサイトの場合
  3. 採用サイトの場合

それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、Webサイトの種類や使い分けを詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

【関連記事】【日本では同じ?】ホームページとWebサイトの違い|種類や使い分け方も

企業サイトの場合

企業サイトの場合には、認知拡大と見込み客獲得が目的となります。
以下に挙げた項目例のように、適切なKPI設定で、新規ターゲットへのアプローチ効果を正確に評価できます。

  • 自然検索流入量
  • ユニークユーザー数
  • 各ページのセッション数
  • クリック率
  • コンバージョン数
  • コンバージョン率 など

複数のKPIを個別に評価し、ユーザーニーズの把握に活用すれば、企業の認知度向上や集客力の増加につながるでしょう。
印象的で効果的な企業サイトを制作したい方は、Webサイト制作ページもぜひご覧ください。

ECサイトの場合

ECサイト(※)では、売上アップを目標とするため達成度評価の可能なKPI設定が不可欠です。
※インターネット上で製品を販売するサイト

ECサイトで重要となるKPI設定の項目例は、以下の通りです。

  • 自然検索流入量
  • ユニークユーザー数
  • 各ページのセッション数
  • コンバージョン率
  • リピート率
  • 顧客単価 など

ECサイトはデータ量が膨大で、行動軸や問題点の明確化には課題があります。
相互に関連したKPI設定によって焦点を絞ったデータ獲得が可能となり、ECサイトのパフォーマンスを総合的に評価しやすくなるでしょう。

採用サイトの場合

採用サイトでは求人応募を増やし、企業と求職者のマッチングを促進する施策が必要となります。
そのためには、以下をはじめとして求職者の関心度合を数値化できるKPI設定が重要です。

  • 自然検索流入量
  • 求人ページの表示回数
  • ユニークユーザー数
  • コンバージョン数(求人応募者数)
  • コンバージョン率(応募率) など

複数のKPIを組み合わせて分析すれば、求職者の心理に響く改善が可能となり、採用サイトの効果的な運営と成果につなげられるでしょう。
採用サイト制作のメリットや費用相場を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

【関連記事】採用サイトを制作するメリットとは?費用相場やポイント・弊社の支援実績も

お問い合わせ獲得を目的としたWebサイトのKPIツリー例

お問い合わせ獲得は企業が目指す大きな目標であり、達成に向けては丁寧なKPIツリーの設計が不可欠です。
Webサイトに効果的なKPIツリーは、以下の5段階で構成されます。

  1. 検索エンジンの表示回数
  2. 訪問者数
  3. コンテンツ読了率
  4. 商品ページへの誘導率
  5. お問い合わせ率

KPIを定期的に評価しPDCAサイクルを回すことで、継続的な改善が可能です。
重要なのは他社との評価ではなく、自社の前年比で成長を図る点です。

自社の進歩に焦点を当てることが、長期的な成功につながります。
しかし、綿密なWebサイト運用には人的リソースと時間が必要なため、時には専門会社への委託なども有効な選択肢といえるでしょう。

なお、弊社ではWeb専門家による企業顧問にも対応しております。
KPI設定や施策の優先度にお悩みの方は、Web顧問ページをぜひ一度ご覧ください。

WebサイトのKPIを設定する手順

Webサイト運用に必要なKPIの設定手順は、以下の3段階です。

  1. 運営の目的からKGIを定める
  2. KSFを特定し、KPIを設定する
  3. KPIの具体的な数字と期間を設定する

KPIは、KGIやKSFと紐づけた設定が大切です。
例えば、「商品の認知度向上」や「新規顧客の獲得」という目標に対する施策を決定すれば、評価する視点は自ずと見えてきます。
手順に沿ったKPIの設定が、Webサイトの目標達成に向けた近道となるでしょう。

弊社が支援したWebサイト運用の成功事例

こちらは、米製造品を取り扱う日本国内唯一の販売代理店の事例です。

Webサイトの種類

企業サイト

業種

製造業

課題

  • 新規ユーザーへの施策はリスティング広告のみ
  • 広告停止によりユーザーの流入が激減

提案

SEO対策

施策

  • 資産性のある記事のブログ投稿(毎月1~2記事)
  • 内部構造の見直し

結果

  • 2年間の継続により1万9,000セッション数獲得
  • 新規ユーザーの8割がブログからの流入
  • 商材ページで290以上のセッション数獲得

上記の事例では、リスティング広告と合わせたSEOブログの戦略的運用により、能動的に検索する顕在客からのお問い合わせ獲得に成功しました。

▼セッション数の増加グラフ

適切なKPI設定により、下表のような課題と対策が明確になりました。

課題

対策

潜在客向けCTA(行動喚起)の不足による機会損失

  • 読者に有益なホワイトペーパーの作成
  • 潜在客とのエンゲージメント開始ツールの準備

さらに、今後の展開を見越して、以下のような改善策も打ち出しています。

  • SEO記事から商品ページへの内部回遊率を高める
  • 商品ページのコンバージョン率を向上させる

このようにKPIを適切に設定し分析と改善を繰り返すことで、Webサイトはビジネスの加速にも寄与するでしょう。

まとめ:Webサイト運用ではKPIの設定が必須

KPIの設定は、Webサイト運用の効果を上げるために必須です。
目的に沿ってKPIを組み合わせ活用することが、ビジネスに大きな成果をもたらします。
しかし、適切なKPI設定には専門知識と経験が必要です。

弊社は豊富な支援実績によって獲得したノウハウにより、Webサイトの課題を多数解決してきました。
Webサイトを通じて売上拡大を図りたい方は、運用サポートページからお気軽にご相談ください。

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book この記事の監修者

澤田将司

株式会社ベイス 代表取締役社長

マレーシア、クアラルンプールで起業。
オンラインゲームプラットフォームや3大通信キャリアの公式コンテンツプロバイダーなどの事業を経て、2015年に実家の家業を引き継ぐ形で帰国。
現在は三重県四日市市で受託型のウェブマーケティング会社、株式会社ベイスを経営。

得意分野はコンバージョン率(お問い合わせ率)の高い企業のホームページ運用。
豊富な経験で培った徹底したデータ駆動のマーケティング戦略で、これまでに数多くの企業のウェブ戦略立案から実行までを手がける。

LINE社認定のパートナーでもあり、これまで運用した企業アカウント数は500を超える。

代表挨拶ページはこちら

 

澤田将司|ベイス代表取締役 澤田|ベイス社長@行きたくなるオフィス研究中 中小企業マーケティングラボ

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