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工務店におけるマーケティング戦略の立て方!分析手法や集客施策も解説

2023.09.15

工務店におけるマーケティング戦略の立て方!分析手法や集客施策も解説

近年、コロナ禍などでライフスタイルが変化しています。それに合わせて、住宅業界のマーケティングも変化が必要とされています。一見、マーケティングというと苦手意識を持つ方も多いでしょう。しかし、戦略の立て方や分析方法を知っておけば、決して難しいものではありません。

この記事では工務店にマーケティングが必要な理由や、具体的な進め方を解説します。役立つ分析方法や集客手法のほか、ファン化を成功させるコツもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

工務店にマーケティングが必要な理由

そもそもマーケティングとは、売れる仕組みづくりのことを指します。工務店にマーケティングが必要な理由は、下記のように成約に至るまでに多くのフェーズが存在するためです。

  1. 住宅購入を検討する
  2. 理想の家のイメージを固める
  3. 工務店に対する情報収集する
  4. 工務店に問い合わせる
  5. 予算を決める
  6. 予算の範囲内で施工できる工務店を再度比較検討する
  7. 工務店の特徴を把握し見極める
  8. 工務店を決定する

したがって、フェーズごとに適切な施策を実施する必要があります。

また、工務店の商品やサービスは決して気軽に購入できるものではありません。生活に大きな影響を与える分、見込み顧客も慎重になります。そのような心情を踏まえ、少しずつ信頼関係を築き、成約につなげるためにもマーケティングは必須といえるでしょう。

【3ステップ】工務店におけるマーケティング戦略の立て方

工務店のマーケティング戦略を設計する手順を、3つのステップに分けて解説します。

  1. 現状分析を進める
  2. コンセプトを決める
  3. 具体的な施策を実行する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ステップ①:現状分析を進める

まずは、下記の項目を中心に、これまで実施した施策を振り返りましょう。

  • 時期
  • ターゲット層
  • 媒体
  • 打ち出し方
  • 成果(集客数や成約数) など

また、見込み顧客や既存顧客の層も確認し、次項につなげます。

ステップ②:コンセプトを決める

最近では、インターネットで簡単に商品やサービスの情報が入手できるようになりました。それゆえ、競合と比較された際に「安い」「性能が良い」だけでは埋もれてしまいます。

現状分析で得たさまざまなデータをもとに、自社ならではの強みとターゲットをコンセプトとして設定しましょう。

ステップ③:具体的な施策を実行する

コンセプトの決定後は、具体的な施策を検討・実行します。施策は大別すると、オンライン施策とオフライン施策の2つです。

オンライン施策はインターネットを用いた施策であり、エリアを限定せず、多くの方に訴求できます。一方、オフライン施策はエリアが限定されるケースが多いものの、伝えたい情報を確実に届けられます。いずれの施策を実行するにしても、PDCAサイクルを回しながらブラッシュアップすることが大切です。

工務店のマーケティングで使える分析手法3選

工務店のマーケティングで使える、基本的かつ代表的な分析手法を3つ解説します。

  • 3C分析
  • SWOT分析
  • STP分析

それぞれ詳しく見ていきましょう。

手法①:3C分析

 

分析内容

分析内容の例

自社

①価格帯

②デザイン力

③気密性・断熱性

④耐震性

⑤アフターサービス

①坪単価60万~65万(延床面積) △

②ヴィンテージスタイルが得意 △

③現場発泡断熱材使用 ○

④耐震等級3級 ◎

⑤最長30年保証・24時間受付対応 ◎

競合

①価格帯

②デザイン力

③気密性・断熱性

④耐震性

⑤アフターサービス

①坪単価50万~55万(延床面積) ◎

②高級感あるスタイルが得意 △

③セルロースファイバー使用 ○

④耐震等級2級 △

⑤20年間保証 △

顧客

①価格帯

②デザイン

③気密性・断熱性

④耐震性

⑤アフターサービス

①坪単価50万~55万(延床面積) -

②カントリー風 -

③ -

④耐震等級3級 -

⑤20年間保証以上 ○

3C分析は、顧客を含めた社内外の環境分析時に役立つ手法です。マーケティングにおける最も基本的なフレームワークであり、最低限まとめておきたい事項でもあります。

手法②:SWOT分析

 

プラス要因

マイナス要因

内部環境

強み

弱み

  • ヴィンテージスタイルが得意
  • 気密性・断熱性が良い
  • 耐震等級3級
  • 最長30年保証・24時間受付対応
  • 坪単価が高い(延床面積)
  • 認知度が低い
  • 展示場が少ない
  • 土地が少ない

外部環境

機会

脅威

  • ヴィンテージスタイルが流行っている
  • 耐震性に関する意識が高まっている
  • エリア内に競合が少ない
  • オンラインの需要が高まっている
  • 競合が値下げしている
  • マンション需要が高まっている
  • 業界の需要が縮小している

SWOT分析は3C分析と同様に環境分析に秀でていますが、特に自社の強み・弱みを抽出する際に役立つ手法です。3C分析の分析結果と統合し、次項のSTP分析につなげるとより効果的です。

手法③:STP分析

手順1.セグメンテーション

市場の細分化)

市場やカスタマーをニーズや属性に分けること

手順2.ターゲティング

(ターゲットとする市場選定)

セグメンテーションした市場やカスタマーから、自社のターゲット層を選定すること

手順3.ポジショニング

自社の立ち位置の明確化)

競合と比較して市場での自社の立ち位置を決定すること

STP分析は、マーケティング戦略を立案する際に活用する手法です。分析手順は、大きく分けると3つになります。

  • セグメンテーション市場の細分化
  • ターゲティングターゲットとする市場選定
  • ポジショニング自社の立ち位置の明確化

それぞれ詳しく見ていきましょう。

セグメンテーション

デモグラフィック(人口統計)

性別・年齢・家族構成・出身校などの属性情報

ジオグラフィック(地理的変数)

国・都道府県・慣習・宗教など、エリアに基づくもの

サイコグラフィック(心理的変数)

価値観・趣味嗜好・ライフスタイルなど、心理に基づくもの

ビヘイビアル(行動変数)

購入履歴・購入場所・購入頻度など、行動に基づくもの

セグメンテーションはターゲット層を明確化するために、市場や顧客を分ける工程です。セグメンテーションを進める際は、主に4つの指標をもとに分類します。

ターゲティング

ターゲティングは、セグメンテーションした市場や顧客から自社のターゲット層を選定することです。具体的には、次に挙げる3つの方法があります。

  1. 無差別型ターゲティング:食料品や日用品など、同一商品を全市場で展開する方法
  2. 差別型マーケティング:ニーズに合わせた商品やサービスを各々、複数の市場へ展開する方法
  3. 集中型マーケティング:ニーズが絞られた商品やサービスを限られた市場へ展開する方法

この際、下図にある6Rという指標をもとに選定を進めると、より成果が上がるターゲット層を抽出しやすくなるでしょう。

Realistic scale(市場規模)

自社の商品やサービスの市場規模

Rate of growth(成長性)

市場の成長率

Rival(競合状況)

競合の商品やサービスのシェア

Rank(優先順位)

ターゲットに対して優先度が高いものか

Reach(到達可能性)

ターゲットにアプローチできるか

Response(測定可能性)

効果を測定できるか

ポジショニング

 

価格

デザイン

気密
断熱性

企業規模

販売実績

自社

高い

良い

良い

小規模

少ない

競合A

高い

良くない

やや良い

大規模

多い

競合B

低い

良い

悪い

中規模

多い

ポジショニングとは、競合と比較して市場での自社の立ち位置を決定することです。価格や性能といった競争軸をもとに、自社が優位となるポジションや強みを明確にしていきましょう。

工務店のマーケティングにおける集客手法

工務店の集客に効果的な手法は、オンライン施策とオフライン施策の2つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

【関連記事】工務店の集客施策10選!ホームページなどの活用方法や成功事例を解説

集客手法①:オンライン施策

オンライン施策は、下記に挙げるようなインターネットを活用する施策のことです。

施策の実行後に効果測定を進めやすく、オフラインよりもコストが比較的低い点が魅力となっています。

集客手法②:オフライン施策

オフライン施策は、下記に挙げるようなインターネットを使わない施策です。

  • 紙広告(チラシなど)
  • 屋外広告(建築幕など)
  • 交通広告(電車など)

エリアは限定される傾向にありますが、不特定多数の人々にリーチできる分、認知拡大につながる点が大きなメリットといえるでしょう。

工務店のファン化成功後に実施したい3つの施策

工務店のファン化成功後に実施したい施策は、主に次の3つです。

  1. 対面イベントへの誘客
  2. 契約後の継続的なフォロー
  3. アンケートによる満足度調査

それぞれ詳しく見ていきましょう。

施策①:対面イベントへの誘客

専門的な知識を持つ営業と直接会うことで、見込み顧客が持っていた先入観や不安を打破できます。

住宅の購入はローンや土地なども関わり、知識がないと失敗してしまうことも少なくありません。そのため、まずは営業の初回接客を促しましょう。

施策②:契約後の継続的なフォロー

契約後も、継続的なフォローを欠かさないようにしましょう。契約までの時間よりも、住宅に住んだ後の時間の方が長いためです。もし、アフターサービスに不満があると、それが工務店の評価となってしまいます。

悪い口コミはマーケティングに悪影響を及ぼします。逆に、アフターサービスが良ければ、良い口コミが広がるのはもちろん、新規顧客の紹介にもつながるでしょう。

施策③:アンケートによる満足度調査

商談した顧客や、契約後のオーナーへの満足度調査も必ず実施しましょう。

得られた情報は、自社の強み・弱みだけでなく、改善点の明確化にも役立つためです。また、オーナーの声をWebサイトなどに掲載すると、検討段階にある見込み顧客の良い判断材料にもなります。

まとめ:工務店のマーケティングは売上拡大に必須

工務店にマーケティングが必要な理由はフェーズごとに適切な施策を実施し、成約につなげるためです。また、調査や分析の過程で得られた情報は、自社の商品開発やサービス改善にも役立てられます。工務店の集客を成功させ、売上拡大を図りたい方は、マーケティング戦略を設計していきましょう。

なお、株式会社ベイスでは、さまざまなマーケティング施策に精通しています。支援実績も豊富なため、手法ごとのノウハウを知って自社に活かしたい方は、資料ダウンロードページをぜひご覧ください。

book この記事の監修者

澤田将司

株式会社ベイス 代表取締役社長

マレーシア、クアラルンプールで起業。
オンラインゲームプラットフォームや3大通信キャリアの公式コンテンツプロバイダーなどの事業を経て、2015年に実家の家業を引き継ぐ形で帰国。
現在は三重県四日市市で受託型のウェブマーケティング会社、株式会社ベイスを経営。

得意分野はコンバージョン率(お問い合わせ率)の高い企業のホームページ運用。
豊富な経験で培った徹底したデータ駆動のマーケティング戦略で、これまでに数多くの企業のウェブ戦略立案から実行までを手がける。

LINE社認定のパートナーでもあり、これまで運用した企業アカウント数は500を超える。

 

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